2026年10月17日土曜日

8つの大岩はどこに①

リトル比良の北端、岳山の西に続く天狗山は、伊黒では「南山」、音羽では「天狗岩山」と呼ばれていたそうで、山麓一帯には音羽・拝戸・伊黒・鹿ヶ瀬の村々が点在し、ここは草刈、炭焼など村々の入会林だったとのこと。

その天狗山について-、

永田村と音羽荘の入会争論に端を発して、万治三年(1660)に
「尾通の大石に月輪の極印掘覚、○大○○○○音羽と大石八ツに掘置」
八ツの大石で山境を確定させた(高島町史)。

とのことで、大岩8つに「月輪」、または「大」「音」「羽」の極印を刻んで境界の目印としたようである。

正徳六年(1716)には伊黒・音羽で山境争論が起き、文化十三年(1816)と続くが、常に裁許の基本はその万治三年の八つの石牓示だった。

ただ、文久三年(1863)にも争論続き、大溝藩は南山を差留山とした。

そして、明治十二年(1879)の大審院では、

「輪形および大音羽の文字等を彫刻せる岩石の所在の地」は音羽の所属地

「論所南北の境界に至りては、毫も証拠の徴すへきものなきにより、右岩石の所在の地を上告村の所属と定め、該所より上告村(音羽)鳥越山に達する路線は地方官へ申出処分を受くべきものなり」と判決

これに基づいて明治十五年に論山を没収、天狗岩山国有林となった(滋賀県市町村沿革史 第4巻)。

-とのこと。要は天狗山で山境争論があり、境界の目印として8つの大岩を決めたが、その後も争論が続いてしまい、最終的には天狗山は国有林として没収されてしまった。

高島町史、滋賀県市町村沿革史、大審院民事判決録などには、これらの大石(大岩)がどこにあるのかは書かれておらず、場所は分からないが、当然、鵜川の山の反対側の天狗岩山国有林の周辺にあると思われる。

天狗岩山国有林の境界上にある岩阿砂利山には、仏岩や天狗岩などがあり、また鳥越峰へと続く稜線にも大岩はいくらでもある。そこで境界上の大岩を順に見て行き、月輪(輪形)や大、音、羽と思われる大岩を探してみた。

月輪(輪形)の大岩

とりあえず、国有林の境界杭をたどり、大岩があれば全体を丁寧に見て行った。ふと、特徴のある大岩があり、円形のくぼみがあった。直径が13㎝、深さが4㎝くらい。

一応、写真を撮って先に進む。

「大」の文字の大岩

また順に岩を見ていくと、同じような円形のマークがある岩があった。円の中には「大」と読める文字が刻まれていた。直径が12㎝、深さが2~3㎝くらい。

先ほどのと同じようなサイズということは、これが8つの大岩の一つ、「大」の大岩で、さきほどのも月輪(輪形)の大岩ということなのでしょう。

大きめの月輪(輪形)の大石

さらに進むと、少し大きめの月輪(輪形)がある大岩があった。直径16㎝、深さ4㎝くらい。これら3つの大岩は直線上に並んで位置していた。

その後、このまま辿っていけば、次もすぐに見つかると思っていたら、大岩はあるが月輪(輪形)は見つからなかった。あと5つ、どこかにあるはず。。(続く)