2018年8月20日月曜日

鞍掛沢(尾白川渓谷)

日程:2018年8月19日(日)
ルート:尾白川渓谷P6:30-矢立石登山口7:10-入渓点8:50-鞍掛沢-乗越沢11:00-コル12:30-日向山14:00-駐車場15:40
メンバー:山岳会3名

5時に松本を出発。小淵沢経由で尾白川渓谷へ。駐車場は広く、空きあり。
崩壊が進む林道を経て、入渓。










日向山。ハイカー多し。

難しいところもなく、前評判通りのいい沢でした。

2018年8月17日金曜日

戸隠村絵図の千丈滝と大澤通り探し

長野県に関する明治初期の資料に「長野縣町村誌」というのがある。

内容は村ごとに、人口、地名、境目、産業、名所など、細かく書かれており、村内にある滝についても名前と高さ、幅など記載がある。活字だけだと昔の資料なので、どこのことか分からないことも多いが、実は対となる絵図(長野縣町村繪地図鑑)があり、それと合わせてみると、昔はこんなのがあったのか~と暇つぶしに楽しめる。

その中で、戸隠村の滝の項に、黒滝、百丈滝、千丈滝など記載があり、絵図にも滝が描かれている。一方で現在の地図にはどの滝も出てこないから、どこにあったかはもう分からなくなった感じ。。

特に千丈滝は、絵図の高妻山の南斜面にポツンと描かれており、よく分からないが、その名の通り、当時から何かしらの特に目立つ大きな滝があったのだろうと、どこかにあるのか調べてみた。

千丈滝に関する情報としては、

①長野縣町村誌:戸隠村の滝の項目に千丈滝の記載あり。
②回峯行場絵図(1862年):戸隠の修験者が描いた絵図。大澤通りという修験者の道の道中の岩山手前にある。千丈大瀧と記載。
③戸隠百首:千丈の滝を詠んだ句がある。位置情報はなし。(インターネットより)
戸隠村之図(長野縣町村繪地図鑑:明治10年前後):高妻山の南斜面に描かれている。一不動から裾花川に下り、乙妻山に至る道も描かれており、これは大澤通りと思われる。
水内郡戸隠村図(明治8年):上記と同じような絵図。

場所のヒントとして、大澤通りという修験者の道が出てきた。


大澤通りとは・・・

佛心という修験者が三十三回の入峯修行を行った道のこと。佛心は文久二年(1862年)に高妻山の山頂へ神鏡を奉納し、三十三回の入峯修行を成し遂げて先達の称号を受けて、その際に回峯行場絵図を描いたとのこと。(戸隠神社青龍殿 案内より)


大澤通りが分かれば、千丈滝(千丈大瀧)も分かりそうだが、現在は廃道で大澤通りも場所が不明の様子。回峯行場絵図はこんな感じ。(戸隠信仰の世界より)


ただ、回峯行場絵図には、今の戸隠牧場から一不動を経て、高妻山に登る道も描かれていて、途中の水場や滝の名前は今と同じで、絵図がすごく正確に描かれて印象。なので、大澤通りの道もすごく正確と考えて予想すると、こんな感じになった。

滝を探す方法としては、

・地形図を見て、滝マークを探す
・インターネットで沢の遡行記録を検索して、それっぽい滝を探す
・Googleマップの航空写真で滝っぽいものがないか見る
・図書館の戸隠関連の資料(地質調査など)を見る
などしてみると、

遡行記録は探している範囲のは見当たらず、Googleマップは樹木が多くて滝のようなものは探せなかった。——が、「戸隠 総合学術調査報告(1971)」という本の地質学調査の項に、昭和39年頃の調査で「・・裾花川支流S3沢右俣の奥で、・・戸隠山地では最も落差の大きいものの一つ・・」として滝の写真が出ていた。地形図にもその辺りに滝マークがあり、ここに千丈滝はありそうかも。あれば、大澤通りもこの辺りを通っていたことになる。

東京都中等教育研究会生物部研究報告書(昭和19年)に、植物採集目的で戸隠を訪れて、見聞きした大澤通りや仏心についての記述がある。


2018年8月13日月曜日

八方睨沢→キレット沢(戸隠)

ルート:戸隠神社奥社4:20-八方睨6:00-八方睨沢-裾花川出合8:30-キレット沢-稜線11:00-奥社13:00
メンバー:1名

奥裾花自然園への道路が閉鎖中で、裾花川の沢登りに行きづらい。裾花川へのよいアプローチ方法を探して、戸隠の西側の沢を散策してきた。

日の出前に戸隠神社奥社を通過、稜線で明るくなる。本院岳に日があたる。

まずは八方睨の少し戸隠山側から、寝曲竹の藪へ突っ込む。ものすごい藪、憂鬱。八方睨沢へ出る。出だしは100mlほどナメ。

―――が、そのあとは薄暗く倒木ばかり、崩れた斜面もありでこんなのが1時間半。1つだけハングした滝があった。5mくらいかな。

キレット沢との二俣に近づくと、急にキレイ系の沢になる。

ハート型の釜の滝。

楕円形のお釜の滝。

二俣。右がキレット沢。

裾花川出合の20m滝。面倒なので、下まで行かなかった。

キレット沢のF2?

F2を上から。

落ち口にポットホールのような穴が2個ある。

キレット沢も特に難しいところはなかったけど、唯一巻いた10m滝。

稜線に近づくと、大分薄暗くなる。最後は地獄のような根曲がり竹の藪漕ぎ。

裾花川出合いの滝20mから、二俣の上あたりまで続くナメの地形はとてもきれいでおすすめだが、あとの稜線までは薄暗く藪漕ぎに終始して微妙。。

裾花川へのアプローチに使うなら、キレット沢の方が短いので良い。昔は岩魚釣りのアプローチとして使われてた?そうだけど、2mはある根曲がり竹藪がすごく、場所によっては這いつくばるように進む。稜線のどこから沢に入ればいいかのかも分からないから、適当に突っ込むしかない。

参考資料:
ロックアンドブッシュ20周年記念誌
グループ・ド・モレーヌ50周年記念誌

西岳沢(戸隠)

ルート:西岳登山口P7:40-入渓点8:00稜線12:00-登山口P15:00
メンバー:1名

本院岳と西岳との間にあるキレットへ突き上げる西岳沢へ。

序盤は、戸隠の東面の沢によく見かける土壁。

たまにきれいめのところも。

ポッドホールがあったり。

初めての大きめの滝。直登できる。



これはハング気味で右から巻いた。

だんだん開けて、戸隠らしい岩峰が見える。

真下から見上げると迫力すごい。



詰めていき、最後のスラブ。これを越えれば稜線。

西岳、P1を経て下山。西岳登山道の垂直具合にびっくり。

特に難しいところもなく、高山植物がきれいだった。