日程:2018年11月18日(日)
ルート:戸隠牧場6:45-一不動-裾花川本谷-滝10:30-窟11:15-一不動-戸隠牧場15:00
メンバー:2名(山岳会)
かつて戸隠にあった「大澤通り」と「千丈滝(千丈大瀧)」を探しに、裾花川の枝沢へ3回目の訪問。
回峯行場絵図の序盤に描かれている「千丈大瀧」が分かれば、「大澤通り」も見えてくるかも―、ということで前回、滝の上から見た枝沢左俣の大滝をちゃんと確認しに緑円辺りへ。
「大澤通り」は、江戸末期に佛心という修験者が高妻山の山頂に神鏡を奉納し、三十三回の入峯修行をしたという修験者の道。
佛心は「大澤通り」で修行を成し遂げて、先達の称号を受けて、「回峯行場絵図(1862)」を描いている。絵図の序盤には、修行の行場であろう「千丈大瀧」と「白澤御岩穴」が出てくる。
→千丈滝・大澤通りについて
岩峰のある枝沢までは前回、前々回と同じ道のり。今回は左俣の地形図の地図マークを目指す。
1683m峰を見上げる。
途中、右岸に大きな岩あり。基部が平らのためか、ここで幕営したようでゴミが散乱していた。何だか大事な岩陰の気がするが。。
左岸に柱状節理みたいなものあり。
千丈滝(千丈大滝)?
この谷間の先に前回滝の上からみた地形図の滝マークの大滝。
滝はかなり大きめで50~60mくらい。この山域ではかなり大きい。
滝つぼは庭園のように石がぽつんと。
滝からは戸隠の山が見える。
滝の少し左上の谷筋に洞穴があった。横幅は5mくらいだが、中はエスカレーターぐらいの傾斜。雨宿りはできるが、寝るには壁にもたれかかる感じでとても寝れなそう。人工物なし。
ところで、回峯行場絵図には、「千丈大瀧」近くに「白澤御岩穴」が描かれている。白澤(しらさわ)だから、白い岩場で洞穴を探していたが、どうも白澤(はくたく)と読むらしい。
白澤(はくたく)とは、
・・・なんだかよく分からないが、白澤、戸隠で検索すると、白澤避怪図などが出てくる。麒麟や鳳凰と同じように中国の聖獣のことらしい。
石碑のある窟
滝の向かいには1683m峰の大岩壁があり、基部を散策。
岩場の基部に沿って歩くと、窟と石碑があった。
石碑は、一番上に少し文字がかすれてしまっているが、「大澤通」書かれている。なので、少なくとも「大澤通り」はこの地点を通ると思われる。先ほどの大滝が「千丈滝(千丈大滝)」ということかな。
近所の図書館で調べると、松代周辺で明治9年までになくなっている村の名もあるので、それよりは古い石碑なのだろう。戸隠の石碑がいろいろと載っている「上水内郡裏山中四ケ村金石文(1937)」、「戸隠村に於ける金石文(1937)」、「戸隠村の石造文化財(2004)」には載っていなかった。大澤通り探しの続きは、ここまでは日帰りで来れるが、この先地獄谷につなげるとなると、泊まりでないと厳しいか。。