2018年7月28日土曜日

登山と脱水

登山は、脱水になりやすい。 登山中の死亡事故の根底には、脱水が関与しているものも少なくないと思われる。

登山は、ほかのスポーツと比べるとただ歩いているだけなので、時間当たりの運動量、汗の量は少ないが、長時間行動するのでトータルの消費カロリー、汗の量はとても多くなって、結果、脱水になる。

汗だけでなく、自覚はないがじわじわと呼吸、皮膚などからも水分は出ていっており、歩きはじめてから3、4時間も立てば脱水傾向に。普段の日常生活だと、3、4時間に1度トイレに行くのは当たり前だが、山では午前中に1回もトイレに行きたくならなかった・・というのはザラで、それは脱水になっていて尿が出なくなっているから。

もちろん、ガブガブ飲んで、食事もたくさん取りたいが、自分で持てる水・食事の量には限りがある。自分の行動時間に対して必要なカロリー量、適正な水分量は、慣れている人は経験的は分かるが、登山をはじめたばかりだったり、夏場だったりしたら見込みが違ってくるかも。。
個人的には何とな、冬は1~1.5Lくらい、夏場は日中が長く暑いので2L~3Lくらいは持つと安心。

ただ水をたくさん飲んでおけばいいか・・・、というとあまりよくなくて、汗をかいて水と電解質が体から外に出ていってしまっているのに、水だけ飲んでも血液は薄まってしまい、体は適正な濃度に戻そうと水分を尿として出してしまい、脱水状態は改善しない。

水と一緒に電解質も補充すれば、血液は薄まることはなく、吸収された分だけ血漿量が増えて脱水を改善できる。なので、飲み物には塩も混ぜた方がいい。糖質も入っている飲料に塩分を足して飲むのとより良い。

夏場は、飲料1Lに対して、塩3gを入れると50mEqくらいになっていい感じの塩分量になる。ポカリは21mEq塩が入っているから、1.5gくらい足すとそのくらいになる。塩は小さじ1杯で6gで、お味噌汁1杯が1.2~1.5gの塩分量だけど、登山の時だけだし、脱水の方が怖いしあまり気にせずに。。

ちなみに水を一気に飲むと、せっかく水と塩分を補充しても尿として出てしまうことがあり、こまめにちょっとずつ飲んだ方がよい。食事は塩分も取れるし、栄養は代謝されて結果的に水となるから、しっかり摂取することは大事。

食事から摂取しているタンパク質の代謝産物などは、尿から排出しないと体に悪影響を及ぼすため、食べている人は必ず一定量の排尿をしなければならない。透析をしている患者さんがなぜ週に3回も病院に行くかというと、出せない代謝産物を透析でのぞいているから。

とにかく、登山道沿いにトイレがあまりないから水をあまり飲まないというのはよくない。